子育てをしていると、「10歳までに〜」という言葉によく出会います。
運動面、学習面、性格など、あらゆる分野が10歳で区切られているように感じます。気にしなくてもいいという声もありますが、何故10歳なのか、気になっていたところぴったりの本を見つけました。
著者によると、脳や身体の発達が9歳や10歳で区切られるということを完璧に説明できている本は無い。しかし教育の現場では昔から9歳10歳、特に小学校4年生の国語や算数でつまずきが多いと言われています。
何故そういったことがこの年齢で起こるのか、9歳10歳の子どもがどういう状況にあるのか詳しくまとめられた1冊です。
1. 具体的思考から形式的思考へ=考える力の急成長
「いま、ここ」と具体的に見える現実世界から、次第に頭の中で抽象的に推論できるようになる時期です。
それによって「自分とは何か」ということが考えられるようになり、「自己意識」が芽生えます。
さまざまな認知の領域で質的に変化する時期である。自分と他人、主観的な自分と客観視できる自分、時間軸の中での今の自分と未来の自分。このような高次の認識が可能になってきますが、スムーズに移行できる人と停滞してしまう人に分かれやすく、その結果不安定になりやすい時期といわれています。
2.友達関係の変化
たいてい8歳頃までは友達は単純に「好きな人」または「同じ遊びをする相手」です。それが次第に心理的に似かよった共通性をもつ相手として、友達の存在に重みがましてきます。
同時に親の言うことに従うべきだという考えが弱まり、友達との友情が強くなる時期です。大好きな友達のために何とかしたいという思いやりが強まる一方で、友達の目が気になる時期でもあります。そのため友達がいるからこそトラブルが多い子もおり、経験の中で適切なソーシャルスキルを学ばせながら、互いにサポートしあえるように支援することが大切です。
3.自尊心が低くなる
「自分」だけでなく、他人を自分のことのよう考えたり、人の行動の背景にある、感情や考え方まで想像できるようになります。同時に、自分に対しても、他人から見るような視点を取れるようになり、自分のだめなことろを客観的に見られるようになります。そのため、時には自分に対して劣等感が強まり、自尊心が下がります。
4.第二次性徴による心身両面の変化
この時期は性ホルモンの分泌が盛んになり、男子は男性らしく、女子は女性らしい体つきに形態変化していきます。男性は、男性ホルモンの一種であるアンドロゲンが変化し、これが原因で怒りなその気持ちや攻撃行動を起こしやすくなります。女性は女性ホルモンの影響で抑うつ的に気分を引き起こしやすくなります。
5.感情の変化
「感情」というものを対象化して考えられるようになり、それを文章や会話でも表現できるようになります。「今日は友達が休んでいて寂しかった、寂しい気持ちを吹き飛ばすために、おもしろい本を読んだ。」というように、自分の心の中に、気持ちがあることに気付くことができます。
また、間接的な表現から相手の気持ちを汲むことできるようになります。
ただし、自意識過剰になる傾向が強いので、そこまで考える必要がないのに考えすぎたり、傷つくことを恐れて自分の感情を抑え込んでしまったりします。
さらに、第二次性徴によるホルモン分泌や、受験などの環境の影響を受けるようになることから、大人からすると扱うのに手を焼く、難しい年齢に入ります。
本書を読み終えて
「10歳までに...」というタイトルを見ると、10歳までに成長が止まってしまうようなイメージでしたが、むしろ大人になるための様々な変化があり、子ども自身もその変化に対応するために頑張っていることがわかりました。反対に、今までは大人が当たり前に理解できていることが分からなかったんだなと、子どもに対する理解も深まりました。
今までと違い、親にとっては扱いにくいと感じるため、この年齢までに色んな習慣を身に付けておきましょうという意味もあるかもしれません。
最後に特に心に残った一文を紹介します。
大事なことは、親自身の期待を満たすことではなく、子ども自身が、親とは独立した人間として成長していくことなのですから、まずは目の前の子ども自身の成長をよく見ることが大切です。
追記
育児に関する本を読むたびに、なるほど!と深く感銘を受けます。
そう思っても、実際子どもと向き合うと感情が先走って、本の通りに接することは出来ないことの方が多いです。けれども冷静になった時、あの本にこう書いていたなと思い出すことで、不安になる気持ちも半減します。
その繰り返しで、自分の中で読んだ本の考えが染み付いていき、いつしか自然とそういった考え方ができるようになる感じがします。
時間はかかりますが、読書は決して無駄ではないと思うところです。