以前、ドラマ版の『Nのために』を観てとても面白かったので、『夜行観覧車』もずっと観たいなと思っていました。
できればAmazonかTVerで配信しないかなと思いながらタイミングが合わず数年経ってしまいましたが、今ちょうどAmazonPrimeで配信しているのでここ数日でイッキ見したところです。
湊かなえさんの原作が面白いのは大前提として、国宝で話題の奥寺佐渡子さんが脚本をしていて、『Nのために』と同様に登場人物気持ちが上手く映像化されているなと思いました。
=以下ネタバレを含みます=
娘の綾子
ミステリー小説なので、犯人が誰かなども気になりますが、子育て中の母親としては杉咲花さんが演じる彩花さんの演技が心に刺さりました。
学校ではいじめられていじめっ子に反抗も出来ずに自分が悪いと謝るばかりですが、家では母親に対してお前のせいだ、と言って暴力や暴言を吐きます。何がお前のせいなのか、いじめられているということを言えば、親としても学校に事実を確認しに行ったり、何か行動を起こせるのにと思ってしまいますが…それも思春期、反抗期の特徴なのでしょうか?(最も、あの担任では学校に相談しに行くだけでは問題解決しなさそうですが)。
実際に自分の子どもが高学年になり、学校や外では良い子であろうという様子が出てきました。その反面、家では甘えたり、反抗的であったりすることもあります。家での様子は必ず外であった出来事と繋がっていることを改めて感じました。これから何かと、思春期だから、反抗期だからと年齢のせいにしてしまいそうですが、その裏に人間関係で悩んでいたり、何か助けを求めているのかもしれないと思って接していこうと思います。
お向かいの住人高橋淳子
優しくて医者である夫、優秀な3人の子ども。裕福で幸せの要素しかない様にみえる彼女がどうしてあんなことになってしまったのか。
そもそも幸せって何なんでしょうか?お金がない、離婚していてシングルマザー、庭付き一軒家、団地住まい、専業主婦、子どもが優秀、病気を抱えてる、色んな環境があります。下を見ればキリが無いし、上をみてもキリがありません。
人は何か自分には足りない、自分はこんなに苦労を抱えてると思ってしまう傾向にあると思います。結局、旦那さんの弘幸さんはDVしていた訳でもなく、子ども達には本当に好きな道に進んだらいいと思っていたのです。そんな優しくて、お金があり、自分を愛してくている主人がいても、淳子さんはどこか不安を感じていたのです。
その気持ちは何となく分かります。傍から見れば幸せそうでも、私はこんなに苦労している、こんなに頑張っている、悩みもある。そう激しく主張したくなる時があります。
どうすればあんな悲劇が起きなかったのかと考えました。旦那である弘幸さんは、淳子さんに優しくしたり、愛してることを伝えることより、淳子さんの心にある不安な部分に寄り添ってあげることだったのではないでしょうか。 「死んだ人と争っても仕方ない」確かにそうですが、そう簡単に納得できることではありません。そうでなくて、「確かに前妻の存在は気になるよね」と根気よく共感して、淳子さんを安心させてあげることが必要だった気がします。
仮にそうしてたとしても、40代の女性です。更年期で感情のコントロールが難しく、カッとなってやってしまうという結末も十分ありえたでしょうが。
主人公遠藤真弓
あまりに真っ直ぐで、傍から見ると余計なことしいで、もっと上手く立ち回ればいいのにとイライラして見てしまいました。でも結局そういう人に助けを求めて人が集まったりするんですよね。
意地悪してきた小島さんまで最終的に救ってしまう姿には感服しました。自分はあそこまで傷つきながら進んでいくことはできませんが、多少仲間外れにされても誰も傷つけない人に最終的には人が集まってくるんだと再確認できて良かったです。
全体の感想
ドラマなので仕方ないですが、犯人が誰かという部分が引き延ばしすぎかなと感じました。俳優さんの演技は皆凄くて、特に鈴木京香さん。キリッとしたイメージで、小島さんの役もできそうな雰囲気ですが、ちょっとポンコツでお人好しな真弓役を見事にやり切ってました。
原作と違うところもあるそうなので、小説も読んでみたいと思いました。